老年期の栄養「タンパク質=プロテイン」は危険?

― 老年期の栄養について ―

昨日は、実践栄養カウンセリング講座「老年期の栄養」を行いました。

皆さんはどのようなポイントをおさえて栄養素のアドバイスを行っていますか?
栄養カウンセリングの現場では、
「どのポイントを押さえて栄養素のアドバイスを行うのか」
「どの栄養素を、どの順番で優先するのか」
という判断が常に求められます。

たとえば、
たんぱく質の摂取量が不足しているからといって、
プロテインをルーティンで勧める対応になっていないでしょうか。

特に老年期においては、
「タンパク質=プロテイン」という考え方は注意が必要です。

この講座では、
不足している可能性のある栄養素をどのように予測するのか、
そして、その提案の優先順位をどのように考えるのかを学んでいきます。


症例から考える、老年期の栄養カウンセリング

講座では、実際の症例をもとに、
高齢の方にどのような栄養カウンセリングを行っていくのかを検討しました。

身長や体重といった数値だけでなく、

  • 生活リズム
  • 運動量
  • 思考や行動の傾向

などの情報から、
その方がどのような状態にあるのかを予測していきます。

さらにヒアリングを重ねながら、
不足している栄養素の可能性と、
どこから整えていくのが現実的かを考えていくことが重要になります。


栄養カウンセラーの役割

栄養カウンセラーの役割は、

  • 医師と患者をつなぐ橋渡しとなること
  • 患者さんが目指しているゴールまで伴走すること

です。

医療的な判断を尊重しながら、
日常生活の中で実行可能な形に落とし込み、
継続できるサポートを行っていきます。


老年期だからこそ大切にしたい視点

老年期では、
「科学的に正しい食事」が、そのまま本人にとって満点の食事になることは多くありません。

  • どこまでなら無理なく続けられるのか
  • どこまで制限するとQOLが下がってしまうのか

これらを一つずつ確認しながら進めていくことが重要です。

その結果として、
グルテンやカゼインをあえて制限しない選択をする場合もあります。

性別、年齢、生活習慣、嗜好など、
栄養カウンセラーが考慮すべきポイントは多くありますが、
特に老年期においては、

栄養カウンセリングを受けたことで
生活の質(QOL)を下げてしまっていないか

を常に確認しながら進めていく必要があります。

栄養カウンセリングは数値だけで判断するのではなく、
その方にとって意味のあるサポートを行っていくことが求められます。
老年期の栄養カウンセリングでは、
その方の生活背景や価値観を踏まえた上で、
QOLを損なわない選択を積み重ねていく視点が求められます。

今回の講座で、分子栄養学 栄養カウンセラーとしての役割をあらためて確認し
「伴走する支援」とは何かを考える時間となれば嬉しいです。


管理栄養士 矢部まり子